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暑さや寒さに弱い猫や犬にとって、室温管理は命に関わる大切な問題。今やエアコンの常時使用が一般的ですが、機種選びや電気代に悩む声も。
この記事では、ペットのいる家に適したエアコンの選び方や節電の工夫を紹介します。
ペットがいる家は「エアコンはつけっぱなし」が正解
ペットを飼っている多くの家庭で、1日を通してエアコンをつけっぱなしにすることが当たり前となりました。これは単なる快適性の問題ではなく、ペットの健康と命を守るために必要な対策です。
犬や猫は人間に比べて体温調節が苦手で、特に短頭種(フレンチブルドッグ、ペルシャ猫など)や高齢のペットは暑さや寒さに敏感です。室温の急激な変化は熱中症や低体温症を引き起こすリスクがあるため、エアコンで室内の温度・湿度を一定に保つことが重要なのです。
犬・猫のための室温と湿度の目安
ペットが快適に過ごすための室温と湿度の目安をご紹介します。ただ、これらの数値は一般的な目安なので、ペットの種類や体質によって調整が必要になります。
犬・猫の快適な温度は「犬:25~28℃」「猫:18~24℃」
季節 | 犬 | 猫 |
---|---|---|
夏 | 25~28℃ | 25~28℃ |
冬 | 18~22℃ | 20~24℃ |
注意点:
エアコンは冷気が下に、暖気が上に溜まりやすい特徴があります。部屋の上下で体感温度に差が生じるため、実際にペットが過ごしている床近くの温度を温度計で確認しながら調整しましょう。
湿度管理も重要
ペット | 適切な湿度 |
---|---|
犬 | 40~60% |
猫 | 50~60% |
湿度が高すぎる場合:
カビやダニの発生、犬の熱中症リスク増加
湿度が低すぎる場合:
皮膚の乾燥、呼吸器への悪影響
冬の暖房使用時は空気が乾燥しやすいため、加湿器の併用がおすすめです。
湿度計を設置して、定期的にチェックする習慣をつけましょう。
温度・湿度管理の工夫:
・移動の自由度を確保 ペットが自分で快適な場所に移動できるよう、部屋間の通路を確保
・冷房時の冷え対策 風よけやブランケットを用意
・暖房時の注意 こたつやストーブ併用時は低温やけどや火災に注意
ペットがいる家のエアコン選び5つのポイント
ペットのいる家庭では、以下の機能を重視してエアコンを選びましょう。
1. ペットモード搭載機種
床に近い位置で過ごすペットに合わせて温度や風向きを自動調整する機能です。
人感センサーでは感知しにくい小さな動物にも対応し、留守中でも快適な環境を維持できます。
2. 空気清浄・脱臭機能
犬や猫の毛は空気中に舞いやすく、放置するとアレルゲンやニオイの原因になります。空気清浄・脱臭機能付きのモデルなら、ペット臭やホコリを抑制し、室内の空気を清潔に保てます。
花粉やハウスダスト対策にもなるため、アレルギー体質の家族がいる家庭にも最適です。
3. 自動おそうじ機能
ペットがいると抜け毛やホコリが通常より多くフィルターに付着します。
自動おそうじ機能があれば掃除の手間を省き、フィルターの目詰まりによる冷暖房効率の低下と電気代上昇を防げます。
4. 自動復帰機能
停電やブレーカー落ちでエアコンが停止しても、電源復旧後に自動で再運転を開始する機能です。飼い主の留守中にトラブルが発生しても、ペットの熱中症や低体温症のリスクを軽減できます。
5. スマートフォン遠隔操作機能
外出先から室温・湿度のチェックやコントロールが可能な機能です。IoTエアコンやWi-Fi対応モデルに搭載されており、留守番中のペットの環境管理に役立ちます。
エアコンの遠隔操作機能やIotエアコンに関しては、次の記事もあわせてご覧ください。
▶エアコンにAI機能は必要?AI機能付きエアコンのメリット・デメリットを徹底解説!
その他のおすすめ機能
・風向き調整機能: ペットに風が直接当たるのを防止
・静音機能 : 音に敏感なペットも落ち着いて過ごせる
環境省の資料でも「エアコンの風が直接犬や猫に当たらないよう注意」と明記されているため、風向き調整は重要なポイントです。
【1時間 / 1ヶ月】エアコンの電気代
エアコンの運転にかかる電気料金は、機種や部屋の広さ、設定温度、外気温などにより変動しますが、定格消費電力をもとに算出すると、1時間あたり約15〜90円程度が目安です。24時間連続運転した場合、1日あたりの電気代は約372〜1,380円、1カ月(30日換算)では約11,160〜41,400円に達することもあります。
特にペットを飼育しているご家庭では、室内温度の安定が健康維持に直結するため、エアコンを長時間使用せざるを得ないケースも多いでしょう。しかしながら、運転時間の長期化は電気料金の負担増にもつながるため、適切な運転コストの把握が重要です。
本記事では、エアコンの適用畳数ごとに消費電力と電気代を一覧化しています。電気代の算出には、以下の一般的な計算式を用いています。
電気代(円) = 消費電力(W) ÷ 1,000 × 単価(円/kWh) × 使用時間(h)
※ここで使用している電気料金単価は27円/kWhを基準としています(地域や契約プランにより変動あり)。以下の表では、代表的な畳数別の消費電力と、それに応じた1時間・1日・1カ月あたりの電気代を比較できるように整理しています。
適用畳数 | 消費電力※1 | 1時間の電気代※2 | 1日中つけっぱなし | 1カ月の電気代 |
---|---|---|---|---|
6畳(2.2kW) | 450W | 約13.95円 | 約335円 | 約10,044円 |
8畳(2.5kW) | 500W | 約15.50円 | 約372円 | 約11,160円 |
10畳(2.8kW) | 515W | 約15.97円 | 約383円 | 約11,498円 |
12畳(3.6kW) | 825W | 約25.58円 | 約614円 | 約18,418円 |
18畳(5.6kW) | 1,580W | 約48.98円 | 約1,175.52円 | 約35,266円 |
引用:経済産業省資源エネルギー庁|省エネ性能カタログ2024年版(家庭用)
引用:住宅設備エアコン総合カタログ2025/春夏号 | Panasonic
※1 冷暖房時の平均消費電力
※2 消費電力から計算した電気代
エアコンの電気代を抑える5つの節約術
ペットのためにエアコンをつけっぱなしにすると気になるのが電気代。以下の工夫で電気代を抑えることができます。
1. フィルター掃除をこまめに行う
ペットの毛やほこりでフィルターが目詰まりすると、冷暖房効率が低下して電気代がアップします。月1~2回の掃除を心がけましょう。
2. 扇風機・サーキュレーターを併用
空気を循環させることで室温のムラを防ぎ、冷暖房効率を向上させます。設定温度を極端に下げたり上げたりする必要がなくなり、節電効果が期待できます。
3. 適切な温度設定を維持
夏場の冷房設定を極端に下げすぎないよう注意しましょう。1℃の違いで約10%の電力消費量の差が生まれます。
4. 省エネエアコンへの買い替え
10年以上前のエアコンと最新モデルでは電力効率に大きな差があります。消費電力の少ない機種への買い替えで、月々の電気代を大幅に削減できる可能性があります。
5. 遮熱対策(遮熱カーテンなど)の実施
遮熱カーテンやすだれで直射日光をカットし、室温上昇を防ぎましょう。エアコンの負荷を減らして電力消費を抑制できます。
節電効果の高いエアコンは、次の記事でも解説しています。
▶エアコンはつけっぱなしの方がお得?猛暑だからこそ知りたい節電効果の高いエアコンの使い方
エアコン以外のペット快適環境づくりのコツ
エアコンと併用することで、より快適な環境を作れる工夫をご紹介します。
直風を避けるように家具の配置を工夫
エアコンの風が直接当たらないように家具の配置を工夫し、季節に応じて冷感マットやあたたかいベッドを用意すると、快適な環境づくりに役立ちます。
ペット用ベッドの活用
夏: 冷感マットや冷感ベッド
冬: 保温性の高いベッドやヒーター
床近くの温度管理
犬や猫は床付近で過ごすことが多いため、床周りの温度管理が特に重要です。ただし、猫は高い場所を好む傾向もあるため、ペットの習性に合わせて環境を整えましょう。
見守りカメラの設置
留守中のペットの様子を確認でき、飼い主の安心につながります。
実際の飼い主による体験談
筆者は猫と暮らしています。もちろん、エアコンは1日を通してつけっぱなしです。
サーキュレーターで室内の温度ムラを防いだり、パーテーションを設置して直接風が当たらない場所を作ったりしています。また、冷感ベッドを用意しても使ってもらえなかった経験もがあります。
ペット用のベッドは暑さ・寒さが本格的になる前に導入し、実際にペットに使ってもらえるかを確認するのがおすすめですが、いいと思いました。
飼い主のふとんの上にいることが多い、わが家の猫。タオルケットやバスタオルを重ねて置いておき、涼しすぎる・寒さを感じるようなら下にもぐれるようにしています。ペットのお気に入りの場所を見つけて、そこを整えてあげる。それは、日々そばにいる飼い主だからこそできることだと感じています。
まとめ:ペットと人が共に快適に過ごすために
ペットと暮らす家庭にとって、エアコンは快適さだけでなく健康と命を守る必須の家電です。適切な「選び方」と「使い方」を実践することで、ペットも人も心地よく過ごせる住環境が実現します。
重要なポイントのおさらい:
・エアコンのつけっぱなしは必要な健康管理
・犬は25-28℃(夏)・18-22℃(冬)、猫は25-28℃(夏)・20-24℃(冬)が目安
・ペットモード、空気清浄機能、自動復帰機能を重視した機種選び
・フィルター掃除と扇風機併用で電気代を節約
ペットも家族の一員。適切な環境管理で、大切な家族の健康を守りましょう。
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